武漢ウイルス・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡率、致命率(致死率)を正しく扱う

志那発の武漢ウイルス感染症(COVID-19)は、世界中の人々を恐怖に陥れている。報道では毎日、何人が陽性だの、また死亡者が出たなどと、混乱の極みである。

武漢ウイルス感染症の死亡率(mortality rate )、致命率(致死率;case fatality rate)に関しても当然、
大規模行政人口を年単位で観察し算出した死亡率 < 感染者の致命率 < 発症者の致命率 < 報道されている曖昧な死亡率・致死率 < 肺炎の致死率 < 重傷者の致死率
の関係が成り立つ。

一体全体、テレビやインターネットで流布されている、インフルエンザと武漢ウイルスによる死亡率・致命率(致死率)の比較は、上記の何れを以て検討しているのであろうか?正確に比較条件を明示してる事例を、全く以て見ないのは、何とも間抜けで情けない。その道の専門家が聞いて呆れる。

ここで注意すべきは、死亡率の分母は人口で罹患していない人も含めた全住民が母集団であるのに対して、致命率(致死率)の分母は罹患者(確定診断された患者)であることをまず理解する必要がある。当然、確定診断から漏れる不顕性感染が高率の疾病や、治療に要する時間が統計観察期間に対して無視できないほど長い疾病の場合には、致命率(致死率)の誤差は大きくなることにも注意が必要である。

現時点では、武漢とダイヤモンド・プリンセス号という特異な in vivo データを参考にする他は無いが、現行のPCR法による確定診断は、コストも時間も膨大であり、あくまで隔離条件の為の検査であると自制しなければならない。従って、武漢ウイルスのビルレンス(virulence)を知るのは、まだまだ先になりそうである。

今後、武漢ウイルスのビルレンスをより正確に求めるためには、WHOなど国際的機関による解析が必要であるが、これだけ不顕性感染が多いとなると、インフルエンザ・ウイルス感染症で用いられている、超過死亡の手法が必須となるであろう。当然、交絡因子も複雑で、長年に亘る地球規模での観測を続けなければならない。WHOが健全であることを祈るばかりである。

私事にはなるが、来月の大相撲大阪場所がどうなるのかが、気掛りである。