天下り先になった国会議員

最近の政治討論番組を観ていると、元官僚の肩書がとても気になるようになってきた。官僚が犯罪や事件を起こした時、それを追及する者も、擁護する者も、元官僚の肩書を持つ政治家が非常に多い。

政党が国政選挙で前職に代わる新人候補を選ぶ際の優先順位は、世襲、元官僚、タレント・ニュースキャスターの順である。前職の血縁者は地盤・看板・鞄を持ち、元官僚は即戦力が期待され、タレント・ニュースキャスターは知名度が抜群である。ここで、自由民主党では前職血縁者が選挙区を継ぐ形が基本であるので、元官僚が立候補できる枠は非常に少ない。となると野党、なかでも新党で立候補する元官僚が多くなるのも必然である。

今まさに大問題を引き起こしている財務省絡みの政治討論では、与野党を問わず、ずらりと元官僚のコメンテーターが居並び、互いを非難し合っている。同じ穴のムジナ達がである。いつの間にか、日本の国会は官僚の天下り先になってしまっている。保身と利権の為に毎日を戦ってきた人達が、いかに一般国民から遠くかけ離れた所に居るかを見せつけられると、日本の未来に全く希望が持てなくなってしまった。