NTT西日本から約900万件の個人情報が漏洩
NTT西日本から約900万件の個人情報が、名簿屋などに流出していた事が報じられた。
携帯電話が普及する以前、各家庭に配れた電話帳には、電話番号、契約者、その住所が普通に記されていた事は、本当に便利で無くてはならない物であった。
しかし、時代が変わり固定電話は絶滅危惧種となり携帯電話が当たり前の現在では、個人情報保護法が制定された経緯を踏まえれば、電話帳に記されていた情報も当然保護されるべき情報である。
ところが未だにNTTは、電話帳に記載されていた情報は企業が保護する対象として認識していない。これは公務員天国の三公社五現業の一つであった電電公社から伝わる遺伝病と考える。NTT自身には情報を守る気概に欠けている。
一方で、情報を盗む側から考えてみた。情報の記録媒体が紙ベースの時代にあっては、そう簡単に大量コピーして持ち出す事は出来なかった。だが今日、情報は電子化されて保存されており、見つかることも厭わなければ小さなUSBメモリーで大量の情報を簡単に持ち出す事が出来てしまう。情報の窃盗があまりにも簡単なので、犯人はその後に起きる大事件を想像せずに犯行に及んでいる。個人情報保護法が持つ抑止効果を、たやすく乗り越えてしまう事から、窃盗犯をいくら捕まえてもキリがない。
かつての電話帳に記されていた程度の個人情報と言えども、名簿屋という反社会的組織が売買する事を決して許さない為はどうすれば良いか。それは、盗まれた情報を持っている者を裁くしかない。その為には、児童ポルノ禁止法に倣って、一定量以上の個人情報を許可なく所持しているだけでも、刑事罰を科す法律を策定する事である。