武漢ウイルス・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡者は本当に少ないのか?

武漢ウイルス感染症(COVID-19)が日本で騒がれ始めておよそ3ヶ月、ようやくそのビルレンス(virulence)、すなわち毒性も少しずつ判ってきた。これまでに、水際対策としての入国制限、学校等の休校要請、人が集まる社会活動の自粛要請など幾つかの政策も打ち出されて、それに多くの国民は忠実に従ってきた。そろそろ日本国としての中間的な評価をしても良い時期だと思われる。

ウイルスの毒性としては、死亡率、致命率(致死率)、感染力、不顕性感染率などを検討する必要がある。死亡率は通常、1年単位で集団を追跡する必要があるので、現時点では評価は出来ない。その代わりとして、死亡者の絶対数で評価するしかない。

3月12日時点での武漢ウイルス感染症(COVID-19)による死亡者の累計人数は15人である(厚生労働省サイト)。この3ヶ月間での死亡者数から判る事は、日本の医療環境で適切に治療を受けていれば、武漢ウイルス感染症(COVID-19)で死亡に至る症例は、非常に少ないと言う事である。

例えば、近年日本では年間に、
インフルエンザによる超過死亡は数千人(国立感染症研究所サイト)、
交通事故での死者数は約3500人(警察庁のサイト)、
自殺者は約2万人(警察庁サイト厚生労働省サイト)、
癌全体の死亡者数は約37万人(国立かん研究センター)である。ちなみに全癌患者の生存率は、3年生存率で約67%、5年生存率で約58%(国立がん研究センター)である。

死亡者数だけをみれば、今回の武漢ウイルス感染症(COVID-19)による死亡者数は、他の死因と比べて格段に多いというわけではない。初めて経験する感染症とはいえ、この死亡者数を以て恐怖を煽るマスメディアは、非常にバランスが悪い報道の仕方をしていると言える。

これまでの知見をまとめると、武漢ウイルス感染症のビルレンス(virulence)は、それほど強いものではなさそうである。感染力は強いが、不顕性感染で終える事が高率で、発症したとしても殆どが自然治癒して、死亡に至る事は希である。さらに、死亡者の殆どが高齢者である事にも留意すべきである。子供の死亡者は今のところ認められず、生産年齢での死亡者も僅かである。従って、PCR検査能力の拡大よりも、重傷者に的を絞って医療資源を集中し、死亡者を出さない事が重要である。